遺言書は法定相続分よりも優先される効力の強い文書なので、一定の条件を満たさなければ有効な遺言としては認められません。
民法に定められている普通方式の遺言には、自分の手で書く自筆証書遺言、公証人に書いてもらう公正証書遺言、誰が書いても構わない秘密証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言は証人や公証人を必要としないので一番コストがかかりにくく、公正証書遺言は証人と公証人が必要となりますので最もコストがかかる遺言方法となります。
遺言書の形式 | 手軽さ | 有効信頼度 | 作成コスト | オススメ度 |
---|---|---|---|---|
自筆証書遺言 | ◎ | × | 0円~5万円 | △ |
公正証書遺言 | × | ◎ | 10万円~20万円 | ○ |
秘密証書遺言 | △ | △ | 5万円~10万円 | × |
遺言書作成費用の目安
自筆証書遺言の作成費用の目安
自筆証書遺言の場合は、自分が遺言の全文を筆記して遺言書を自分で保管すれば、作成コストはほとんどかかりません。しかし、自分で作成した遺言書が有効な遺言として認められるかどうかについては疑問が残ります。
遺言の有効性を高めるためには行政書士等の専門家に助言やサポートを求めるのが一般的ですが、サポートを受けるにはお金がかかります。専門家に依頼した場合には、自筆証書遺言であってもそれなりにコストはかかってしまいます。
遺言内容の確認者 | 遺言筆記費用 | 存在証明費用 | 保管費用 |
---|---|---|---|
本人 | 0円 | 0円 | 0円 |
専門家 | 5万円 | 0円 | 1万円(年額) |
公正証書遺言の作成費用の目安
公正証書遺言の場合は筆記者が公証人となりますので、公証人に対して遺言の作成費用が生じます。また、遺言の存在を証明する為の証人を自分で用意できない場合には、証人を用意してもらう為のコストが余分にかかります。
保管費用については公証役場が無料で遺言書の保管を行ってくれますのでコストはかかりません。
遺言内容の確認者 | 遺言筆記費用 | 存在証明費用 | 保管費用 |
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専門家 | 10万円 | 5万円 | 0円 |
秘密証書遺言の作成費用の目安
秘密証書遺言の場合は遺言内容を誰が書いても構わないとされていますので、費用を抑えようと思えば自分で書く事も出来ます。ただ、遺言書の存在証明には公正証書遺言の時と同じように費用がかかります。
合計費用としては公正証書遺言よりも低く抑えられますが、遺言の有効性や信頼性を考えた場合には公正証書遺言の方が魅力的なので、秘密証書遺言を選ぶぐらいなら公正証書遺言にする事をオススメします。
遺言内容の確認者 | 遺言筆記費用 | 存在証明費用 | 保管費用 |
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本人 | 0円 | 5万円 | 0円 |
専門家 | 5万円 | 5万円 | 0円 |