日本では少子高齢化に伴う社会保障費の増加や長期的な不景気による消費の落ち込みなどから、頻繁に税制改革が行われています。

近年では消費税の増税に関するニュースが取り沙汰されており、税金の負担の重さが特に強調されて耳に入ってきます。しかし、日本の税金は国際的な観点から評価すると、それほど重い負担になっているとは言えない所があります。

国連が発表している世界幸福度報告書2013のランキングを元に、国別の租税負担率を一覧表にまとめましたので、日本の租税負担率と世界各国の租税負担率を比較してみましょう。

2010年から2012年の間の世界幸福度ランキングと国民負担率の国際比較
順位 国名 国民負担率(2011年)
租税負担率 社会保障負担率 合計負担率
1位 デンマーク 65.0% 2.7% 67.7%
2位 ノルウェー 42.9% 2.3% 45.2%
3位 スイス 27.0% 8.6% 35.6%
4位 オランダ 31.6% 20.6% 52.2%
5位 スウェーデン 47.5% 10.7% 58.2%
6位 カナダ 36.5% 6.3% 42.8%
7位 フィンランド 43.3% 17.8% 61.1%
8位 オーストリア 38.2% 22.4% 60.6%
9位 アイスランド 55.1% 7.1% 62.2%
10位 オーストラリア 36.3% 0.0% 36.3%
17位 アメリカ 23.3% 7.5% 30.8%
22位 イギリス 37.0% 10.7% 47.7%
25位 フランス 36.7% 25.2% 61.9%
26位 ドイツ 29.5% 21.7% 51.2%
41位 韓国 26.0% 8.4% 34.4%
43位 日本 22.7% 17.1% 39.8%
45位 イタリア 42.7% 19.8% 62.5%

出典:World Happiness Report 2013,平成26年度の国民負担率を公表します(平成26年2月7日)

租税負担率と幸福度の関係性

日本の幸福度は調査の対象となっている156カ国中第43位で、上位30%の中には何とかランクインを果たしています。

幸福度が最も高いとされているデンマークの租税負担率65.0%に比べると、日本の租税負担率は22.7%で約3分の1程度しかありません。

世界的に見ても日本の租税負担率はかなり低いようですが、いくら税金の負担が少なくても国民の幸福度に大きな影響はないようです。

このことを逆に考えると、租税負担率が高くなったとしても国民が幸せでいられるような税金の使い方をしてくれれば、誰もが納得して税金を納めてくれるのではないかと思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?

負担が大きくても手厚い社会保障を実現するのか、負担は抑えて安価な社会保障でしのぐのか、政府には今後も難しい判断が迫られます。