ふるさと納税を行った場合には、ふるさと納税の寄付金を所得控除として利用する事が出来ますので、所得税や住民税の税額を有利に計算する事が出来ます。
税金の還付額や控除額は一定の計算方法で算出する事が出来ますので、ふるさと納税を利用する予定のある方は寄付を行う前に、一度ご自身で税金の控除額を計算しておきましょう。
自分で計算するのが面倒な方はこちら⇒給与所得者専用のふるさと納税額シミュレーター
STEP1.1年間の収入額から必要経費や所得控除を差し引く
まずはじめに課税対象所得額を算出する為に、1年間の収入額から差し引けるものを差し引きます。
サラリーマンの方であれば、給与収入から給与所得控除を差し引く事が出来ます。事業を行っている方やFXや先物取引で生計を立てている方は、収入から必要経費を差し引きます。
次に、基礎控除や配偶者控除などの差し引ける所得控除がある場合には所得控除を差し引きます。但し、所得控除は所得税計算の時と住民税計算の時とでは控除額が異なりますので注意が必要です。
- 課税対象所得額の計算方法
-
課税対象所得額=
収入-(給与所得控除や必要経費)-所得控除
STEP2.課税所得控除額と所得税率を出す
課税所得額が算出できたら所得税率速算表と照らし合わせて、課税所得控除額と所得税率を確認します。
課税所得額 | 所得税率 | 課税所得控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
STEP3.住民税の所得割を計算する
住民税の所得割は課税対象所得金額の10%となっていますので、STEP1で算出した課税対象所得金額に0.1を乗じて住民税の所得割を計算します。
- 住民税の所得割の計算方法
-
住民税の所得割=
課税対象所得金額×10%
STEP4.寄付金控除による所得税の還付金額を計算する
所得控除の寄付金控除を利用した場合の所得税の還付金額を計算するには、寄付金額から2000円を差し引いて所得税率を乗じます。
平成26年度から平成50年度までは、復興特別所得税2.1%を加算した所得税率となります。尚、所得税の還付金額計算の対象となる寄付金の限度額は、総所得金額の40%となっています。
- 所得税の還付金額の計算方法
-
所得税の還付金額=
(寄付金額-2000円)×所得税率
STEP5.住民税から軽減される税額を計算する
住民税からは基本分と特例分の合わせて2種類の軽減措置を利用する事が出来ます。
基本分の軽減税額を計算するには、寄付金額から2000円を差し引いて10%を乗じます。尚、住民税(基本分)の軽減税額の計算の対象となる寄付金の限度額は、総所得金額の30%となっています。
- 住民税(基本分)の軽減税額の計算方法
-
住民税(基本分)の軽減税額=
(寄付金額-2000円)×10%
特例分の軽減税額を計算するには、寄付金額から2000円を差し引いた金額と、100%から基本分の10%を差し引き、さらに所得税率を差し引いた割合を掛け合わせます。尚、住民税(特例分)の軽減税額の計算の対象となる寄付金の限度額は、所得割額の10%となっています。
- 住民税(特例分)の軽減税額の計算方法
-
住民税(特例分)の軽減税額=
(寄付金額-2000円)×(100%-10%-所得税率)
STEP6.控除額を合計する
STEP4とSTEP5で算出した金額を合計したものが、ふるさと納税の寄付による合計控除額となります。所得税の還付、住民税の控除はそれぞれ寄付者の所得額に応じて上限が設けられていますので、寄付損をしないように負担額が2000円で納まる上限額を確認しておきましょう。