事業主の方は所得税の計算をする時に事業収入から必要経費を差し引く事が出来ますが、どこからどこまでを必要経費に出来るかはその事業の内容によって異なります。
基本的な考え方としては、その収入を得るために使ったものが必要経費となります。従いまして、プライベートで利用した部分を経費にする事は税法上違反となります。もし、携帯電話を法人で契約しているのに私用で使った場合には、横領による処分が下される事があります。
個人と法人の経費の取扱いの違い
事業を個人で行っている場合と法人で行っている場合では、必要経費の取り扱いが異なる事があります。ほとんどの場合で法人が有利になりますが、交際費に限っては個人の方が節税効果が高くなります。
経費の種類 | 個人名義 | 法人名義 |
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車の税金 | 私用部分以外は経費に出来る | 全額経費に出来る |
ガソリン代 | ||
携帯電話代 | ||
生命保険料 | 経費には出来ず、生命保険料控除として処理する | 原則として経費には出来るが、保険商品によって経費割合は異なる |
交際費 | 全額経費に出来る | 資本金1億円以下の場合は年間600万円までを上限として、使った額の90%を経費に出来る |
純損失の繰越控除 | 最大3年の繰越が出来る | 最大9年の繰越が出来る |
減価償却費 | 強制 | 任意 |
退職金 | 自分には払えない | 自分にも家族にも払える |
法人にすると特に節税効果が上がるのは生命保険料で、個人の時には所得控除として1年間に最大12万円しか控除されませんが、法人になると保険料を経費として一定割合を計上できるようになります。
がん保険や逓増定期保険の場合は支払った保険料の半分を、掛け捨ての生命保険であれば、支払った保険料の全額を経費にすることが出来ます。
生命保険商品の種類 | 経費に出来る割合 |
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定期保険 | 支払った保険料の全額 |
がん保険 | 支払った保険料の50% |
逓増定期保険 | 支払った保険料の50% |