ここでは一定の条件のもとではありますが、個人事業から法人事業にした場合の節税効果について簡単に計算する事が出来ます。

シミュレーション条件
  • 事業者は独身者。
  • 所得控除は必要最低限のものだけをピックアップ。
  • 会社自体には法人税の課税が行われないように役員報酬(社長への給与)を法人の所得全額とする。
個人事業者の所得額
(事業収入から必要経費を差し引いた金額)
個人事業者の税金負担額の目安
法人事業者の税金負担額の目安
(内訳:会社 円、社長 円)
法人化した場合の節税期待額
※このシミュレーターでは計算を容易にする為に社長の役員報酬額を法人の所得額と同額にして法人の所得をゼロにしていますが、実際にこのような事をすると税務署に指摘を受ける場合があります。

個人事業者と法人事業者の負担税額の内容

計算項目 個人事業者 法人事業者
会社 社長
所得額
給与所得控除額 控除対象外 控除対象外
社会保険料控除額
生命保険料控除額
基礎控除額
青色申告特別控除額 確定申告不要
所得税課税対象所得額
※所得控除は一般的な金額を代入しています。
所得税額
住民税額
事業税額 課税対象外

法人化を検討する時の目安となる個人事業の年収額

このシミュレーターを使って節税効果の計算をすると、個人事業者の所得額が322万2230円の時を境にして節税効果が期待できるようになります。

但し、これはあくまでも目安ですので、実際には所得額が400万円を超えるぐらいにならないと思ったような節税効果は得にくいでしょう。

個人と法人の負担する税金の違い

個人事業者に課せられる最高税率は、所得税が最大で40%、個人住民税は10%の合計50%プラス個人事業税となりますので、所得に対しては実質55%ぐらいの税金が課せられる可能性があります。

これに対して法人に課せられる最高税率は、法人税が最大25.5%、法人住民税は法人税の20.7%、さらに法人事業税の最高税率6.7%が加わると、所得に対しては実質40%ぐらいの税金が課せられる可能性があります。

両方を単純に税率だけで比較してみると、法人の方が節税効果が高くなる事は明らかですが、法人にした場合に支払う税金は会社と会社の社長である自分の両方になりますので、負担する税金の種類は増える事になります。

個人と法人の負担する主な税金の種類
個人 法人
会社 社長
  • 所得税
  • 個人住民税
  • 個人事業税
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 地方法人特別税
  • 所得税
  • 個人住民税

節税の為に法人化を検討される方は、会社で支払う税金と社長個人として支払う税金のトータルで考える事が重要なポイントになります。