個人事業であれば決算期は自動的に12月の末日となりますが、法人の場合は決算期を自由に設定する事が出来ます。

しかし、いくら自由に設定できるからと言って何も考えずに決算期を決めてしまうと、後になって納税で頭を悩ませる事になります。その理由の一つとして在庫問題があります。

税法上、決算期に残っている在庫は利益としてみなされてしまいますので、期末在庫があるほど所得が増える事になり、必然的に税金が多く取られる事になります。

また、法人税や法人住民税は決算日から2カ月以内に納めなければなりませんので、その時期がちょうど閑散期やボーナス支給月と重なってしまった場合には資金不足で税金が支払えないと言う事もあり得ます。

このような状況を避ける為にも、決算月は余裕を持って納税できる時期にした方がいいでしょう。

決算期の決め方のポイント
  • 1年を通してなるべく在庫が少ない月にする。
  • 決算期の2カ月以内に納税資金が確保できる月にする。
  • 消費税の免税時期を最大限活用する為に、法人を設立した月の前月を決算期にする。

法人の決算期は特別決議で変更する事が出来る

小売業を営むような会社の場合、時代の変化とともに繁盛期がずれこむと言う事もあります。もし繁盛期と決算期が重なってしまうと、支払う税金の確保が難しくなったり、税金の節税をする余裕がないなどの不都合が生じやすくなります。

このような場合には、株主総会の特別決議によって決算期を自由に変更する事が出来ます。決算期を変更すると言う事は事業年度を変更すると言う事なので定款の変更が必要となりますが、会社設立時に公証役場で行う定款の認証手続きを改めて行う必要はありません。

また、決算期の変更は登記事項ではありませんので、変更登記の必要はありません。つまり、定款変更に関する法律上の手続きを最小限に抑えようと思ったらゼロ円にする事も可能です。