上場株式取引やFXなどの投資と言われる事業の分野では、大きな利益を得られやすくなる半面で、莫大な損失を被るリスクも背負わなければなりません。いわゆるハイリスク、ハイリターンと言うやつです。

リターンばかりなら何の問題もありませんが、投資にはリスクはつきものですので、リスクヘッジを検討しておく必要があります。

上場株式取引におけるリスクヘッジとして有名なものには分散投資があり、投資金を複数の銘柄に分けて損失と利益の差をなるべく小さく収めようとする方法があります。

FXでは取引通貨の種類を増やしたりシステムトレードを検討する方法があります。しかし、それらを検討する前にまずはじめに知っておかなければならない事があります。それは、損失を翌年以降に繰り越せる純損失の繰越控除という制度です。

その年に生じた赤字は損益通算と言う所得の精算方法を利用して相殺する事が出来ますが、相殺しきれなかった赤字分につきましては翌年以降の所得から差し引いて税金を低く抑える事が出来ます。

繰越控除の適用期間は、個人事業者の場合には最長3年間で、法人の場合には最長9年間(青色申告が条件)にもなります。単純に考えて、税金面で法人の方が有利になるというのは明らかです。

つまり、投資を生業とする方は個人事業で行うよりも法人にして事業を継続していく方が、リスクヘッジの効果が高くなると言う訳です。

但し、法人にするには定款の認証や登記の手続きなどに一定の費用がかかったり、法人化後の事務作業や税務作業の煩わしくなると言ったデメリットもあります。

確かに株式会社にしてしまうと、定期的に株主総会を開催したり年度末には決算報告書を作成するなどと言った個人の時にはする必要のなかった作業をせざるを得なくなります。

また、株式会社設立には通常30万円~50万円の資金プラス資本金が必要となります。これでは法人化をためらう方が出てくるもの仕方がありません。

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ですが、法人形態が株式会社ではなく合同会社なら話は別です。合同会社は株式会社ほどメジャーな法人形態ではありませんが、法人である事に変わりはありません。

事業破綻・倒産等に陥った場合の責任は株式会社と同じく有限責任で、繰越控除の適用期間もきちんと9年間あります。しかも、会社設立時にかかる費用は株式会社よりも安く10万円以内に収める事が可能で、決算広告の義務もありません。

もちろん、株式会社に出来て合同会社にできない事やその他のデメリットはあるのですが、社員を雇うつもりがなくプライベートカンパニーとして設立するのであれば、株式会社よりも合同会社の方が断然オススメです。

株式会社と合同会社の比較

投資事業を個人で行っている方は、リスクヘッジとして繰越控除期間が9年間になる法人化を検討してみましょう。事業を大きくするつもりがない方や会社設立費用を抑えたい方は、株式会社よりも合同会社の方が色々な面で有利です。

会社形態 株式会社 合同会社
会社設立費用の目安 30万円~40万円 10万円
決算公告義務 あり なし
責任の範囲 有限 有限
損失の繰越控除期間 最大9年(青色申告が条件) 最大9年(青色申告が条件)
利益の分配設定 出資の割合に応じる 出資の割合は関係なし
上場 出来る 出来ない

家族経営の様な小規模の会社を作るのであれば合同会社ほど最適な会社形態はないと思いますが、合同会社は株式会社に比べて知名度が低いので、雇用を拡大したくなった場合には人が集まりにくいというデメリットもあります。また、株式を発行できないので資金調達の方法が融資等に限られます。

しかし、合同会社にした後で株式会社にしたくなった場合には後からでも会社形態の変更は可能ですので、迷っている方はひとまず合同会社から経営を学んでみてはいかがでしょうか?

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