事業の形態には個人事業と法人事業があります。個人事業ははじめようと思えばいつでも始められますが、社会的な信用は法人に比べると小さいと言わざるを得ない所があり、融資や給付金を受けようと思っている場合には不利な面もあります。
対して法人事業は社会的な信頼度が設立当初からある程度認められやすいと言うメリットがありますが、会社設立時にある程度の費用がかかったり、会社を存続させるためには一定の事務作業や避けられない税金の支出などがあります。
それぞれ良い点や悪い点などがありますが、一点だけにこだわらずに、それらを総合的に考えて事業形態を考察する事が大切です。
法人化のメリットとデメリット
法人にすると一定の税務作業や社会保険への加入が義務付けられたりしますが、その分社会的な信頼度が上がりますので、良い人材が集まったり大企業と取引をしやすくなるなどのメリットが生じます。
- 法人化のメリット
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- 資本金が1000万円未満であれば、最低でも設立から1期目は消費税が免除される。
- 個人では認められていないものを経費として計上できる。
- 青色申告をしていれば、赤字の繰越年数が最大で9年になる。
- 法人税と所得税の最高税率では法人税の方が低い。
- 個人よりも信用が大きいので、融資や助成金などを受けやすい。
- 社会的なステータスを持つ事が出来る。
- 法人化のデメリット
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- 会社設立に一定の費用がかかる。
- 会社解散にも一定の費用がかかる。
- 社会保険料の法人負担が重い。
- 給料設定や決算期の設定が容易ではない。
- 会社が赤字になったとしても、法人住民税の均等割は支払わなければならない。
- 交際費に上限が設けられている。
- 一定の知識がないと記帳や帳簿が困難。
個人事業のメリットとデメリット
個人事業における最大のメリットは簡単に始められる所です。法人の場合には法人登録などの手続きが必要となりますが、個人事業の場合には何の登録も必要としません。また、税務作業も本人次第で簡素に済ませる事が出来ます。
その分、社会的な信用もついてきにくい所はありますが、経営者として一から事業を始めるなら、法人で始めるよりも個人から始めた方が細かい所から学ぶ事が出来ますし、法人成りをした時に税金面でも有利になる事があります。
- 個人事業のメリット
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- 始めるのも辞めるのも簡単。
- 事務作業や税務作業が会社ほど複雑ではない。
- 健康保険と年金の負担額が会社よりも安い。
- 交際費の上限がない。
- 課税対象所得額が290万円以下なら所得税はかからない。
- 個人事業のデメリット
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- 課税対象所得額が増えると、超過累進課税によって税率が上がる。
- 対外的な信頼度が低いので融資や助成金を受けにくい。
- 年金の支給額が厚生年金に比べると低い。
- 青白申告をした場合でも、損失の繰越控除期間が最長3年しかない。