税務署の仕事の一つである税務調査は毎年必ず行われていますが、税務署員の数も時間も限られているので全ての納税者に対して税務調査が実地される事はありません。

税務調査の目的は納めるべき税金を納めさせることなので、不正をしていない人を調べるのは時間の無駄になってしまいます。なので、税務調査に入る前にはある程度の目星をつけて、その中でも怪しい所に対して実地調査を行います。

目星をつけられる人の特徴は、現金商売をしている小売業や飲食業の経営者や、短期間で売り上げが伸びているような急成長の業種関係者などです。

税務調査で狙われやすい人
  • 個人相手に現金商売をしている人。
  • 短期間で売り上げが上がったり下がったりしている人。
  • メディアの露出が多くて目立っている人。
  • 確定申告書の計上経費が突出している人。
  • 顧問税理士が付いていない人。
  • 一度でも税務調査に入られた人。
  • 売上が2000万円を超えているのに確定申告が白色の人。

個人相手に現金商売をしている人

食べ物屋さんやスナック、キャバクラなどと言った商売は主に個人をお客さんとして扱うので、きちんとした領収書を求められる事があまりありません。

領収書を発行しなければ売上をなかった事にするのは簡単なので、現金を貰っても帳簿につけなければ売上を抜く事が容易に出来ます。

もちろん税務署もそんな事は分かっているので、お店の規模やお客さんの入り具合などから不正にお金が流れていないか調べようとします。

短期間で売り上げが上がったり下がったりしている人

書籍を出版してたまたまヒットしたり、スマホゲームを開発してたまたまヒットしたような場合には短期間で売り上げがドカンと上がる事があります。

また、時流に乗った商売をしている人の場合は、売上がぐんぐん伸びる事もあります。そのような人は必然的に数値の上でも目立ってしまいますので、税務署から何かあったのではと疑われる事になります。

メディアの露出が多くて目立っている人

副収入を目的としたブログ等に良く見られる光景ですが、今月は●●万円稼ぎました!とか、副業で今までに1億円稼ぎました!などと公に言っている人は、税務署員も見ている可能性が大きいので目を付けられていると思った方が良いでしょう。

ネット上で有名な方は見せしめの為に税務調査に入られる事もあるようです。

確定申告書の計上経費が突出している人

必要経費を計上する際には勘定科目ごとに経費を振り分けて確定申告書に記入しますが、あまりにも交際費が多かったり、雑費に振り分けられている金額が多すぎる場合にはどうしても目につきやすくなります。

顧問税理士が付いていない人

税理士に確定申告書の作成を依頼すると申告書に税理士のサインが入るので、確定申告書を作成するのが納税者本人の場合にはどうしても信頼度が薄れてしまいます。

特に、売り上げが大きいのに顧問税理士の存在が見えないような場合には、税務署から狙われやすくなります。

一度でも税務調査に入られた人

税務調査に一度でも入られた事がある人は、その後の納税が正しく行われているかを確かめるために、一定の期間を置いてから再度税務調査に入られる事があります。

売上が2000万円を超えているのに確定申告が白色の人

確定申告が白色の人は記帳方法を単式簿記で良いとされているので、事務作業が面倒な人は売上が2000万円以上あっても白色申告をしている方がいます。

しかし、単式簿記はお金の流れが不鮮明なので、経費や売上をごまかしやすくなります。そして、人間の心理として納税負担が増えるほど税金を払いたくなくなるので、売上が2000万円以上の規模の人は税務署に目を付けられやすくなります。

税務調査で狙われやすい業種

国税庁が発表している平成25事務年度法人税等の調査事績の概要によりますと、不正発見割合の高い業種として10業種が取り上げられています。これらの業種に携わっている事業者の方は、税務調査で狙われやすいので注意が必要です。

業種目 不正発見割合
バー・クラブ 47.3%
自動車修理 29.8%
パチンコ 29.0%
廃棄物処理 28.4%
土木工事 28.2%
一般土木建築工事 27.4%
職別土木建築工事 24.7%
貨物自動車運送 24.3%
再生資源卸売 24.3%
電気・通信工事 23.3%