消費税は負担する人と納める人が違う税金で、分かりやすく言うと消費者が事業者に税金を支払い、事業者はその税金を国に納めるという流れになります。しかし、消費税の納税義務者となるには一定の要件が必要となります。
- 消費税の納税義務が生じる要件
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- 2年前の1年間の課税売上高が税抜きで1000万円超の場合。
- 前年1月1日から6カ月間の課税売上高が税抜きで1000万円超の場合。
- 資本金が1000万円以上の法人。
消費税の納税義務者の要件に該当しない方や、特定期間中に支払った給与等の支払額の合計が1000万円以下などの一定の条件を満たす方は、消費税の納付が免除される免税事業者と認められる事があります。
免税事業者は消費税を受け取ったとしても国に納める必要はありませんので、課税事業者よりも利益を上げやすくなっています。
1000万円前後の課税売上高による課税事業者と免税事業者の儲けの比較
課税売上高から必要経費と所得税と住民税を差し引いた額が儲けとした場合に、課税事業者と免税事業者ではどれだけの差が出るのでしょうか?一定の条件を元にシミュレーションしてみます。
- シミュレーション条件
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- 課税売上高は税抜きでそれぞれ999万円と1001万円で比較。
- 必要経費はそれぞれ399万円と401万円。
- 消費税率は8%で計算。
- 所得控除や税額控除は一切考慮しない。
消費税の納税義務 | 課税売上高 | 経費 | 消費税相当額 | 所得税 | 住民税 | 儲け |
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なし(免税事業者) | 999万円 | 399万円 | 48万円 | 77万2500円 | 60万5000円 | 510万2500円 |
あり(課税事業者) | 1001万円 | 401万円 | 48万円 | 77万2500円 | 60万5000円 | 462万2500円 |
シミュレーションの結果、課税事業者と免税事業者では儲け額に消費税相当額に値する48万円の差がつく事が分かりました。
課税売上高1000万円付近では、課税事業者になるのとならないのとでは大きな差がつく事になりますので、調整できるものなら1000万円以下になるようにした方が儲けが出やすくなります。