消費税の処理方法には税込経理と税抜経理の2つがあります。税込経理は消費税額を計算する手間が省けるので、大部分の個人事業や中小零細企業で採用されています。税抜経理は消費税額を分けて考えなければならないので、税務作業に時間がかかります。
どちらを選ぶかは納税者の任意となっていますので、お好きな方で消費税の処理をしても構わないのですが、節税という面で考えた場合には税抜経理の方が有利となります。
例えば、30万円未満の少額減価償却資産を一度に全額必要経費にできる中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例というのがありますが、この場合の30万円未満と言うのは、税込みでも税抜きでもどちらでも構わないとされているので、税抜きで処理した方が消費税の分だけ多く償却できます。
法人の場合には1人5000円以下の飲食代は全額を損金に出来るという規定がありますが、この場合の5000円以下につきましても、税込み税抜きのどちらで判断しても構わないとされているので、税抜き経理の方がお得となります。
会計ソフトとクラウドアプリを使えば税抜経理は自動で簡単
税抜経理の面倒な所は、消費税と消費税抜きの金額の両方を分けて会計をしなければならない所です。会計ソフトを利用すれば、一つの数字で税込みと税抜きの両方の計算をする事が出来るので、作業の手間はほとんどかかりません。
また、領収書のスキャンによるクラウド型の会計データ作成サービスを利用すれば、オペレーターの方で画像データを数値化してくれるので、更に手間をかけずに簡単に税務処理を行う事が出来ます