会社勤めの方で会社が源泉徴収及び年末調整を行っている場合にはご自身で所得税を計算する様な事はありませんが、個人事業主の方や副業で収入を得ているような方は税務署や国税局にご自身で確定申告をする必要があります。
所得税の確定申告をされている方であれば所得税計算のやり方というものは大体おわかりでしょうが、やった事がない人でも所得税計算の方法を知ってしまえばそれほど難しくない事がわかります。
所得税の計算方法
- 所得税の計算式
-
所得税=
(((①合計所得額-②合計所得控除額)×③所得税率-④所得税控除額)-⑤合計税額控除額)+(⑥所得税額×復興特別所得税率2.1%)
所得税の計算は決して複雑ではありませんが、それぞれを小分けして考える事でより一層計算がしやすくなります。
1.①合計所得金額の算出
はじめにその年の所得の合計額を計算しましょう。
事業所得や不動産所得が赤字となっている場合は他の所得と損益通算を行い、繰越控除がある場合には繰越控除を行って下さい。
給与所得の場合は給与所得控除を差し引いてから所得の計算を行って下さい。
退職金などによる所得の場合は分離課税となり、他の所得とは別に課税計算を行いますので、ここでは含めないでください。
2.②合計所得控除額の算出
所得控除は全ての納税者に適用される基礎控除をはじめとして14種類あり、それぞれの適用要件を確認して要件を満たしているのであればそれらの控除額を合計します。
3.課税所得金額の算出
所得税計算のもととなる課税所得金額は、①の合計所得金額から②の合計所得控除額を引いて算出します。
4.③所得税率と④所得税控除額の確認
所得税率及び課税所得控除額は課税所得の金額によって変化しますので、速算表をみてその数値を確認しておきましょう。
課税所得額 | 所得税率 | 課税所得控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
5.税額の算出
税額は課税所得金額に③の所得税率を掛けて、その金額から④の所得税控除額を引くことで算出することが出来ます。
6.⑤合計税額控除額の算出
税額控除の適用要件に該当するものがあれば、それらを全て合計します。
7.⑥所得税額の算出
所得税額は税額から⑤の合計税額控除額を引く事で算出できます。
8.復興特別所得税の算出
⑥の所得税額に復興所得税率の2.1%を掛けたものが、東日本大震災の復興支援施策として実施されている復興特別所得税となります。
9.⑥所得税額に復興特別所得税を加える
⑥の所得税額に復興特別所得税を加えたものが確定的な所得税額となります。