収入がある人や商品やサービスなどを購入して納税義務が生じた場合には、原則として現金一括で税金を納めなければなりませんが、納税者の事情によっては一括払いで税金を払うことは難しいというケースもあります。
その場合には税金が支払えない理由を税務署に相談する事で税金を分割払いに変える事が出来ますし、現金納付が苦しい場合には現物での納付が認められる場合もあります。
納税期日に間に合わなかった場合は一定の延滞金を課せられる事もありますが、税務署も鬼ではありませんので納税者に税金を支払う意思があれば大体の事は穏便に解決されていきます。
しかし中には悪意を持って税金を延滞している悪質な税金滞納者がいる場合もあります。そのような方達には納税の義務を強制的に行わせる為に、行政上の強制執行が行われます。
強制執行には、代執行、執行罰、直接強制、強制徴収の4種類がありますが、金銭給付義務を履行しない場合にとられる手段は強制徴収となります。
強制徴収のうち、特に税金に関する強制徴収の事を滞納処分と言い、国税債権については国税徴収法がその徴収手続きを定めています。
税金の滞納者に行われる4段階の滞納処分手続き
国税徴収法では滞納処分の手続きを4段階に分けて行う事になっています。
- 国税徴収法による滞納処分の順序
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- 滞納者に対する督促
- 財産の差し押さえ
- 換価処分
- 配当
まずは滞納者に対して督促状により督促が行われます。督促自体は滞納処分ではありませんが納税の義務を催告する行為であり、書面による督促がなければ滞納処分は違法となりますので必ず書面によって督促が行われます。
督促状が発せられた日から10日を経過した日までに税金を完納しなかった場合は、財産の差し押さえが行われます。財産の差し押さえが終わると、今度は差し押さえた財産の入札やせり売りによる公売処分が行われます。
公売処分によって得られた金銭は滞納していた国税やその他の債権に対して配当が行われ、最後に残った金銭は納税滞納者に交付されて滞納処分が完了します。