一般的なサラリーマンの場合は所得税と住民税を会社から源泉徴収されているので、税金について特に詳しくなる必要はありません。
しかし、個人で事業を始めて自分で納税しななればならなくなった場合には、税金の事を全く知らないでは済まされなくなります。
税金の計算方法が分からないまま事業を進めて行くと、税金を多く払い過ぎたり知らないうちに脱税になっている事があります。
最近は本業とは別に副業で収入を増やす方も増えていますので、個人で事業を行った場合に支払う税金について予習をしておきましょう。
税目 | 租税区分 | |
---|---|---|
所得税 | 国税 | |
復興特別所得税 | 国税 | |
個人住民税 | 県民税 | 道府県税 |
市民税 | 市町村税 | |
個人事業税 | 道府県税 |
所得税の税率
個人事業者の所得税はどんな方法で収入を得ているかによって計算方法が異なりますが、ここでは10種類ある所得の内の事業所得と不動産所得に絞って解説を進めて行きます。
事業所得と不動産所得の課税方式は総合課税なので、他の総合課税の所得と合計して所得税の計算をする事が出来ます。
所得区分 | 課税方式 |
---|---|
事業所得 | 総合課税 |
不動産所得 | 総合課税 |
個人事業者が納める事業所得と不動産所得の所得税は、総収入から必要経費や所得控除を差し引いた課税所得を基準として課税が行われます。
- 事業所得と不動産所得の所得税の基準となる課税所得の計算式
-
課税所得=
総収入-必要経費-所得控除
課税所得額に応じて一定の所得税率が設けられていますので、所得税の速算表を参考にして課税所得に所得税率を乗じます。
課税所得額 | 所得税率 | 課税所得控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
課税所得に所得税を乗じたら、課税所得額に対応する控除額を差し引きます。
最終的に残った金額が、納めなければならない所得税額となります。
- 個人事業者が納める所得税額の計算式
-
所得税額=
課税所得×所得税率-課税所得控除額
復興特別所得税の税率
復興特別所得税は東日本大震災の復興財源として特別措置法により創設された税目で、平成25年から平成49年まで毎年納める必要があります。復興特別所得税の税率は2.1%で、この税率を所得税額に乗じたものが復興特別所得税額となります。
- 復興特別所得税の計算式
-
復興特別所得税額=
所得税額×2.1%
個人住民税の税率
個人住民税には所得割と均等割の2種類の課税割り当てがあります。所得割は課税所得に対して一律10%が課税される事になっており、そのうちの4%が県民税として納められ、残りの6%が市民税として納められます。
均等割は地域によって多少の誤差はありますが、標準税額で言えば県民税として1000円、市民税として3000円の合計4000円が課税所得額に関係なく誰でも均等に課せられます。
また平成26年度から平成35年度の均等割に対しては復興特別税が加算される事になっていますので、県民税が1500円、市民税が3500円となります。
租税区分 | 県民税 | 市民税 |
---|---|---|
所得割 | 4% | 6% |
均等割 | 1000円+500円 | 3000円+500円 |
個人住民税は前の年の所得を対象として課税が行われ、所得税の時と同じように課税所得額が基準となります。しかし、所得税の時とは課税所得額を計算する時に差し引ける所得控除額が異なりますので注意が必要です。
個人事業税の税率
個人事業税は事業所得と不動産所得から290万円を差し引けますので、総収入から必要経費等を差し引いた合計所得額が290万円以下であれば、税金はかかりません。
合計所得額が290万円を超える場合には、3%~5%の税率を乗じて個人事業税の計算をします。税率は業種によって異なります。
- 個人事業税の計算式
-
個人事業税額=
(事業所得及び不動産所得-290万円)×3%~5%